STRiDAのボールジョイントは弱点であり、ボディにも折りたたみ時に無理に広げないように注意するステッカーまで貼ってあります。
それでもたまにはジョイントが外れてしまいます。うちのストライダもたたんだ拍子に脱臼してしまいました。
暑い日に乗った後だったので樹脂パーツが柔らかくなっていたせいもあるのかもしれません。
ハンマーで叩いて入れるという乱暴な方法もありますが、今回はパーツを分解して修理してみます。
素人向きの作業ではないので、初心者はあきらめてSTRiDAに強い自転車屋さんに持っていった方が良いと思います。(普通の自転車屋さんでは直せないと思います。)
パンク修理、ブレーキワイヤの交換ができるくらいの人(俺)であれば修理できます。自転車用の特殊な工具も不要でした。
パーツが割れてしまって外れた場合は部品交換が必要になります。今回はボールジョイントが抜けただけなので部品は交換していません。部品交換の場合も手順は同じです。
今回修理したのはSTRiDA EVO 16 2019年モデルです。最近のモデルは同じパーツのようです。(初期型は違う)
修理手順
(基本的に自分がもう一度やる羽目になった時のためのメモです。)
仮にパーツ名をネジ(A)、ワイヤカバー(B)、ステアリングボールソケット(C)とします。
ラジオペンチでつかんで引き抜くためにワイヤカバー(B)には大きな傷がつきます。しかし目立たないところなので気にしなくてもいいと思います。
ステアリングボールソケット(C)は左右のパーツと特殊なナットで構成されています。これが割れているときは交換する必要があります。
ネジ(A)は普通の15mmのM5皿ボルト(ネジ部分が12mm)でした。
マニュアルのパーツリストなどから、ステアリングボールソケット(C)はネジ(A)とワイヤカバー(B)の二つで前フレームに固定されていることがわかります。
■使用工具
- 六角レンチ(サドル裏の工具でもよい)
- プラスドライバー(大)
- タイヤレバー(パーツをこじるのに使う)
- ラジオペンチ(先曲がりラジオペンチ)
- ビニール紐
■作業概要
- 後ろブレーキワイヤを外す
- ステアリングボールソケットを外す
- 元に戻す
■作業詳細
後ろブレーキワイヤを外す
最初に後輪ディスクブレーキのワイヤを六角レンチでゆるめる。
ブレーキレバーからワイヤを外すのが目的なので、ブレーキ側ではこれ以外は何もしません。無理にワイヤは抜かなくてよい。
次にハンドルの後ろブレーキレバーからワイヤを外す。
ブレーキレバー調整ネジの位置を適切な位置にしないとケーブルが抜けないので注意。
ワイヤにビニール紐(長め)を結んでから前フレームから抜く。これを頼りに元に戻すために必要になるので、ビニール紐は前フレームの穴に残したままとします。(これをしなかったために大変なことになった)
ステアリングボールソケットを外す
ソケットの下のネジ(A)を外す。ネジ止め剤が使われていてとても固い。頭をなめないように注意。
ブレーキワイヤのカバー状のパーツ(B)を抜く。パーツの奥に「返し」が付いていて外れにくいので冬は温めた方が良い。
ラジオペンチでつかんで後ろに引き抜く。多少傷が付くが我慢する。
マイナスドライバのようなもので少しこじってソケット(C)を上に抜く。
前フレームに差し込んであるだけなのでそれほどきつくないはず。
図 ソケット、ネジ、カバーの位置
図 ソケットを上へ
元に戻す
ブレーキワイヤ用のビニル紐、前ブレーキワイヤに注意しながら、ボールジョイントをソケット(C)で挟んで前フレームにはめ直します。
あとはここまでの作業を逆にしてすればいいはずです。
位置を合わせたら、パーツ(B)を奥まで差し込み、ネジ(A)をしめる。
ビニール紐をたどってワイヤを穴から出す。
ワイヤをブレーキレバーに取り付け、後ろブレーキのワイヤを調整して止める。後ろブレーキはブレーキの効きの他に、ハンドルの紐がちゃんとレバーに届くかも確認する事。
完了したら、ネジ(A)にねじ止め剤をちょっとつけて固定した方が良いでしょう。
予想作業時間30分
■実際にやった方法。(参考にならない作業)
まずは直し方がわからなかったので、とりあえずバラバラにしてしまった。ワイヤをそのまま抜いてしまったので、それを元に戻すのに非常に時間がかかった。
竹串、針金などいろいろ試したが、最終的には長いタイストラップにビニール紐をマスキングテープで貼り付けてハンドルの中を通してワイヤを引っぱる紐を通した。
今回の作業時間の多くはこの作業だった。針金一本はフレームの中に落としたままだったりする。この他に穴に紐を通す方法としては掃除機で吸い込むという手段もある。
後ろブレーキの調整は予想よりも簡単でした。ディスクブレーキはバネが軽いのがいいですね。
パーツ(B)は筒状だが下側が切れていて、切れ込みもあるため予想よりも抜きやすい。抜きやすいといってもそれなりの力で引っ張らないと抜けないと思います。ペンチでつまんで「の」の字にねじって奥の「返し」を外れやすくして引っこ抜きました。
引き抜くときにペンチの傷がつくし、パーツが欠ける事もあるので、このパーツは新品に交換する方がいいのかもしれません。
ネジ(A)はプラスネジですが、六角レンチ用のネジに交換した方が今風かもしれません。検索するとネジ(A)が固くて回せない場合もあるようです。その場合は難航しそう。ネジ(A)はネジ止め剤でしっかり固定されていました。念の為ネジを外した後はボルトの溝のねじ止め剤をつまようじで取り除いておきます。
上記の手順はブレーキワイヤの反省を踏まえての手順です。あまり何度もやりたくない作業です。
ツーリング時の車載工具にはビニール紐とラジオペンチも入れておいた方が良さそうです。
実際の作業ではタイヤレバーではなく安物のマイナスドライバーを使ってこじってます。
STRiDAはチェーンが無いのであまり手が汚れないものいいですね。
このブログの写真一枚でパーツの仕組みが完全に理解できて助かりました。https://bicitermini.com/2008/11/12/625/
STRiDAの脱臼の話はよく見かけるのですが、修理方法がさっぱり見つからないので困りました。
まだ買って2ヶ月なんですけどね。この自転車は全然詳しく無いんですがなんとか直しましたー。
(2019/8/26)